Mbody使用による大腿四頭筋のモニターとハムストリングスの筋肉緩和レベルについて

Moodyの問題検知信号システムの機能が実際のトレーニングでどのように活用され、利用者にどういったメリットをもたらすのかについてさらに詳しくお話したいと思います。
私たちの信号システムは非常にわかりやすく、両側の非対称性を簡単に調べることができます。 筋電図で左右差が検出された場合、様々な原因が考えられます。ドクターやトレーナー、療法士はその原因を慎重に探ることになります。
多くの場合、怪我によって左右や前後の筋バランスや動きの変化が起こります。修正するリハリビ作業を行わないと、それが慢性的な非対称性を引き起こす場合があります。両側の筋肉の非対称の原因を調べるには、動きの制限、技術、脚長差、骨盤の位置なども考慮する必要があります。アスリート自身について、また彼らの経歴を知ると診断と対称性を回復するのに役立てることができます。
大腿四頭筋とハムストリングスは、膝や股関節の動きをコントロールするための主要な筋肉で、脚の筋肉の働きや機能を担っています。大腿四頭筋とハムストリングスは両方とも、サイクリングやランニング時などに脚の筋肉運動を伴う運動強度の増加に伴ってEMG活性化が増加します。しかし、大腿四頭筋とハムストリングスの関係(Q/H比)は、スポーツや運動強度によって異なります。
ランニングにおけるQ/H比 Q/H活性比はランニングスピードにより減少す傾向が見られ、それはランニング強度が低速ジョギングから最大スプリントまで上昇すると、比較的多くの負担がハムストリング筋から来ることを意味しています。
Q/H強度比が低いことは、レクリエーションの女性ランナーとの比較として高度に訓練されたランナーで報告されており、Q/H強度比が低いことは、フィットネスレベルとは関係なく良好なランニングエコノミーとも関連しています。したがってランナーはQ/H比を改善するためにハムストリングのエクササイズと、より具体的いうならエキセントリックなエクササイズの実行を検討する必要があります。ハムストリングスの筋肉が純粋に強いことは、良いランニングパフォーマンスやランニングエコノミーには重要な要素ではありませんが、本当に重要なのは大腿四頭筋とハムストリングスのバランスのとれた比率なのです。
マイオンテックMbodyを使うことで、様々な速度での走行中にQ/H活性化率を測定し、活性化が思うように高まるかどうか、また速度が上がるにつれてQ/H活性化率が低下するかどうかを確認することができます。さらにMbodyでは、ハムストリングの活性化を改善するための最適なエクササイズを見つけることができ、最良のランニングトレーニングを行うことができます。
図1にトレッドミルランニング中にMbodyで測定した大腿四頭筋とハムストリングの活性化があります。強度は最初は簡単なジョギングで、その後疲労するまで走るスピードを上げていきます。両筋肉グループともにランニングスピードの増加に伴い活性化が高まりますが、ハムストリングスの活性化はより高まるため、ランニングスピードの増加に伴いQ/H活性化率は低下します。
ランニング中の脚の筋肉の働きが良い例です。高度なトレーニングを受けたアスリートを対象とした独自のテストによると、低速の強度の持久走のランニング時の最適なQ/H活性化率は45/55%、高速ランニング時の最適なQ/H活性化率は40/60%です。スプリントランニング時では、高度なトレーニングを受けたスプリンターでは、Q/H活性化率が30/70%まで上昇します。Mbody Liveでは、トレーニング中にQ/H活性化率をリアルタイムで観察することで、トレーニング中に正しいテクニックが維持されているかどうか、また疲労の蓄積され方を確認することができます。

サイクリングにおけるQ/H比 サイクリング中は、Q/H比が50/50%に近いか、大腿四頭筋がハムストリングスを支配しているのが一般的で、その割合は少ない。しかしサイクリングのテクニックや筋肉の活性化は、出力、ペダリングレート、体位、シューペダルのインターフェイス、トレーニング状況、疲労などによって大きく異なります。どのテクニックが最も効率的なのかは明らかではないようです。
スポーツ医学のコロラド州のボルダーセンターの運動生理学者パティ-トムリン氏によると、多くのサイクリストの抱える共通の問題は、彼らの過剰に発達した大腿四頭筋と弱いハムストリングスにより、ペダリング中のハムストリングスの働きが侮られている事が多くみられています。大腿四頭筋優位のペダリングは、疲労によってパワーを失いやすく、腰痛や怪我の可能性が高くなります。ハムストリングのリンクが鍵であるとトムリンは結論づけています。サイクリング中は膝関節ではなく腰でパワーを出すのが理想で、一般的に理解されているように、リカバリーフェーズではない、膝の股関節が伸びるパワーフェーズの間はハムストリングスの役割が重要であるとジェームズ・ウィルソン氏はマニフェスト(ウィルソン)の中で述べています。図2および図3は、サイクリング中の脚部の各筋肉の活性化パターンを示す図である。


リラグゼーションレベル
ランニング中もサイクリング中も、それぞれ歩行サイクルやペダルストロークの際に動く脚の筋肉が周期的に活性化します。つまり新しい活性化サイクルの前に筋肉を活性化させ、リラックスさせるということです。
筋活動を繰り返すことは、長時間または高強度で行われた場合、最終的に疲労の原因となります。筋疲労は、例えば、弛緩が遅くなったり損なわれたりすることで発生します。また筋痙攣も、筋弛緩レベルを損ないます。活性化サイクル間の適切な弛緩は、効率的な筋肉の機能に不可欠です。マイオンテックMbody リラックス・パラメーターで、緩和レベルと筋肉の機能的な状態は、トレーニング中に常に監視することができ、疲労の蓄積に気付くことが可能になります。リラックス・パラメーターは信号コードに従い表示がされます:
緑は緩和レベルが12V以下の時、一定の緩和がある時
黄色は緩和レベルで12~20Vで筋肉緩和が不十分な時
赤は緩和レベルが20V以上で筋肉緩和が不十分な時
参照 Camic C.L., Kovacs A. J., Enquist E. A., McLain T. A. & Hill E. C. (2015). Muscle activation of the quadriceps and hamstrings during incremental running. Muscle & erve 52 (6); 1023-1029. Furya E. (2011) (editor). The big book of bicycling: Everything you need to know, from buying your first bike to riding your best. Rodale Inc. USA. Hug F. & Dorel S. (2009). Electromyographic analysis of pedaling: A review. Journal of Electromyography and Kinesiology 19 (2009); 182–198. Knapik J.J., Bauman C.L., Jones B.H., Harris J.M. & Vaughan L. (1991). Preseason strength and flexibility imbalances associated with athletic injuries in female collegiate athletes. Am J Sports Med 19 (1); 76-81. Sundby Q.H. & Gorelick M. (2014). Relationship between functional hamstring: quadriceps ratios and running economy in highly trained and recreational female runners. Journal of strength and conditioning research 28 (8); 2214-27. Wilson, J. Flat pedal revolution manifesto. The science and logic behind using flat pedals to become a better rider. http://www.bikejames.com/wpcontent/uploads/2015/01/Flat-Pedal-Revolution-Manifesto.pdf